みなさんは「愛の南京錠」について聞いたことがありますか?実は、恋人同士が永遠の愛を誓い、橋やフェンスなどに南京錠をかける文化があります。
聞いたことはあっても、そのような橋を実際には見たことがないという人も多いかもしれません。
今回は、橋に南京錠をかけるようになった由来と、愛の南京錠は実際にどこで見れるのかについて紹介して行きます!
「愛の南京錠」とは?
「愛の南京錠」とは、恋人たちが永遠の愛の象徴として南京錠を公共の橋やフェンスにかける習慣です。この南京錠は通称「ラブロック」と呼ばれています。とてもロマンチックですね!
南京錠の形は普通の錠の形だけではなく、ハートや丸など様々です。色も赤や青、金色などがあり、南京錠がかかった橋はカラフルでとてもきれいです。
南京錠は自分で買ったものを持って行ってつけることができます。しかし、必ずしも南京錠を準備していけるわけではありません。その場合は、南京錠をかける場所の近くで南京錠が売っている場合があるのでそれを利用しましょう。
「愛の南京錠」の歴史
そもそもなぜ橋に南京錠をかけるようになったのでしょうか。
実は、愛の南京錠の文化は世界各地で行われており、そのそれぞれに由来があります。
例えばセルビアでは、ある男女の逸話がきっかけとなっています。一組の男女が恋に落ちて愛を誓いました。けれど結局結ばれず、その女性は失恋から立ち直ることがないままに命を落としてしまいまったそうです。そのとき男女が逢い引きに使っていた橋に自分と恋人の名前を書いた南京錠をつけて、恋の成就を願うようになったといわれています。
またパリでは、愛の南京錠の週間は2000年代頃から見られるようになりました。その頃から恋人同士の名前のイニシャルを南京錠に刻み、橋にかける人が出てきます。そしてその鍵をセーヌ川に投げることで永遠の愛を誓ったそうです。
さらに台湾では、豊原駅の鉄橋にペアの南京錠がかけられています。これは、電車が鉄橋の下を通る際に磁場が発生し、そのエネルギーが鍵に蓄えられることで願いが叶うと信じられているのだそうです。
このように、愛の南京錠の習慣は世界各国にあり、その由来は様々であることがわかります。
愛の南京錠をかけられる場所〜国内編〜
それでは、現在でも実際に南京錠がかかけられている場所はどこなのでしょうか。まずは、日本国内のスポットを紹介していきます。
藻岩山展望台(北海道)
一つ目に紹介するのは、「藻岩山展望台(もいわやまてんぼうだい)」です。
こちらは北海道札幌市の「藻岩山」という標高531mの山の上にあります。この展望台からは札幌市を一望することができます。
展望台の中央には鐘が設置されており、その周りの手すりにたくさんの愛の南京錠がかかっています。こちらは鍵をかけるための専用の手すりとなっているので、鍵の重みによる破損を心配することなく、安心して鍵をかけることができます。
この展望台から見える夜景はとても綺麗で、カップルに人気の場所です。公式に「愛の聖地」としても認定されています。
浜名湖サービスエリア(静岡県)
次に紹介するのは、「浜名湖サービスエリア」です。
サービスエリア内の広場に「恋人の聖地」というところがあり、フェンスにたくさんの南京錠がかかっています。南京錠を持っていない場合でも、サービスエリア内で購入することができます。
ドライブの途中で立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
恋人の丘(神奈川県)
次のスポットは、神奈川県の江ノ島にある「恋人の丘」です。ここにも愛の南京錠スポットがあります。
このスポットが愛の南京錠スポットになった理由には、江の島の「天女と五頭龍」という恋物語が影響を与えています。
伝説によると、深沢の湖に住んでいる恐ろしい龍が数々の水災害を起こしていたといいます。そこに突如、天女が現れ、あまりの美しさに龍は一目惚れしてしまいました。これまでの悪行のために結婚を断られていた龍ですが、改心を誓ってやがて天女と夫婦となり、その地域の守り神になったという物語です。
この物語に由来して、丘の上に「龍恋の鐘(りゅうれんのかね)」が設置されました。この鐘を恋人と一緒に鳴らすとずっと一緒にいられるというジンクスがあるようです。この鐘の周辺にあるフェンスに愛の南京錠をつけることができます。
南京錠を準備して行かなかった場合は、近くのお店で購入できます。
愛宕山公園(宮崎県)
宮崎県延岡市には、愛宕山公園という公園があり、ここにも愛の南京錠スポットがあります。
愛宕山は標高が250mあり、延岡市の夜景を一望できます。
公園の中には鐘が設置されており、その横にはハート型のモニュメントがあります。そこにたくさんの南京錠がかけられています。
JR延岡駅の近くにある延岡観光物産ステーションではハート型の南京錠を購入することができます。物産品を見るついでに愛の南京錠をかけに行ってみてはいかがでしょうか。愛宕山公園に夜に行けば、ロマンティックな夜景も見ることができます。
愛の南京錠をかけられる場所〜海外編〜
続いて、海外にある愛の南京錠スポットについて紹介していきます。
ミルヴィオ橋(イタリア)
一つ目は、イタリアにあるミルヴィオ橋です。ミルヴィオ橋は、イタリアの首都ローマを流れるテヴェレ川にかかっている橋です。
イタリアでは、橋の上にある街灯に愛の南京錠をかけると結ばれるという噂が2006年頃から広まりました。街灯に南京錠をくくりつけ、川の反対を向き、鍵を川に投げ捨てるのです。このロマンティックな風習は多くのカップルの間で人気となりました。
しかし、あまりに多くのカップルが鍵をかけていったため、その重みで街灯が折れてしまうという事故が起こりました。危険なので街灯は撤去されているかと思いきや、当時のローマ市長の計らいで新たな鉄骨の柱が建設されたそうです。
今ミルヴィオ橋の南京錠が実際にどうなっているのかは、ぜひ実際にイタリアに行って確かめてみてください。
ホーエンツォレルン橋(ドイツ)
世界最大のゴシック様式の建築物である「ケルン大聖堂」がドイツにあります。その近くにはライン川が流れており、その川にホーエンツォレルン橋という橋がかかっています。この、鉄道と歩行者用の橋のフェンスに愛の南京錠がかけられています。
全長409メートルある橋の全面にびっしりとつけられたカラフルな愛の南京錠は圧巻です。
まとめ
今回は、愛の南京錠について紹介してきました。
愛の南京錠は海外にあるイメージが強いかもしれませんが、日本でも見ることができます。起源については諸説ありますが、2000年代頃から見られるようになった、比較的新しい文化です。
とてもロマンチックで素敵な文化ですが、安全性に問題がある、景観を損ねるなどの理由から、鍵をかけるモニュメントが撤去されてしまっている事例もあります。
興味がある人は、撤去される前に一度見に行ってみると良いでしょう。
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さくら
東京都出身。上智大学卒、社会人2年目。大学では国際社会学を専攻。学生時代にはオーストラリア、アメリカ、ドイツ、オーストリアに旅行するなど、海外旅行が好き。マイウェイ部では、留学や国際交流の魅力を伝えるために記事執筆中。