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【大学生必見】司法予備試験ってなに?|法曹界を目指すための選択肢!

司法予備試験とは

今回は、

法曹界を目指す大学生向けに、

「司法予備試験って?」

「司法試験と司法予備試験の違いは?」

について超基礎知識をご説明します。


国家資格の中でもトップレベルの難易度といわれる「司法試験」。

法曹界を志す者が必ず通る道であり、狭き門なのは有名です。

そんな中、近年受験者が増加しているのが『司法予備試験』!

しかも、大学生の受験者が急増しているんです

より専門的な情報が欲しいと思う方は、法務省の公式ホームページをご覧ください!


司法予備試験って?

従来の法曹界への道 

small judge gavel placed on table near folders

「法曹界に入って憧れの仕事をしたい!」

「弁護士になって社会で活躍したい!」

理由は人それぞれですが、多くの方がその夢に向かって勉強していることと思います。

法曹界を目指すという時に、

一番メジャーな道は、法科大学院課程を修了後に司法試験を受けるというコースです。


現在、大学生で法曹界を目指すという方は、

法学部に入学し、大学での4年間に加えて法科大学院の2年間を修了後に司法試験に挑む

という方が多いのではないでしょうか。


そもそも司法試験って?

司法試験は、弁護士や裁判官、検察官といった法曹界で活躍することを志す人に

必要とされている専門的知識や能力を判定するための国家試験です。

日程としては、一次の短答式試験と二次の論述試験で4日間にわたって行われます。


問われる内容としては、

短答式試験では

憲法・民法・刑法の知識が択一問題形式で、

論述試験は公法系科目と民事系科目・刑事系科目・選択科目になります。

今年(2021年)を例に簡単に見てみましょう!

lawyer exam route

ここで重要なのは、司法試験は「司法試験の受験資格を持っている人のみ受験することができる」という点です!


別ルートとして設けられた司法予備試験

shallow focus photo of road

法科大学院課程修了後に司法試験を受験するのが従来だったわけですが、

その例外として設けられたのが、「司法予備試験制度」です。

この司法予備試験に合格すると

法科大学院課程を修了せずとも同等の資格を得ることができ、司法試験を受験することができます。

司法予備試験制度は2011年度より開始され、受験資格などは特になく、受験料を払うことで誰でも受験することができます

なぜこの司法予備制度が創設されたかというと、法科大学院制度を補完するためです。

「法科大学院に通うのは時間及び金銭的に負担が大きく、余裕がない」という法曹界を志す学生のために導入されました。

「法科大学院に行かなくても受験資格を得ることができるの?!」とびっくりですよね!

次からは司法予備試験について詳しく解説します!


司法予備試験とは?

まず、司法予備試験で問われるのは、

司法試験を受験するにあたり「法科大学院課程の修了程度の学力及び能力があるかどうか」です。

法科大学院課程を修了した方と同等の資格を得るわけですから、当然と言えます。

こちらも今年(2021年)の司法予備試験日程を例に見てみましょう!

lawyer sub exam route

「司法試験に比べて沢山ある!!!」とびっくりされた方!安心してください。

司法予備試験は①短答式、②論文式、③口述式の3部構成になっていて

それぞれ合格した人のみが次の試験に挑戦できる仕組みになっているので、ステップが多くなっているのです。

誰でも受験資格があるため、多くのステップに分かれています。


試験内容は?

試験内容を簡単に説明すると、

まず短答式試験では、憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・一般教養の8科目を問われます。

マークシートによる択一問題で法学の広範な知識が問われます。

次の論文試験では先ほどの8科目に加えて、法律実務基礎科目の知識が問われます。

最後の口述式試験では、法律実務基礎科目のうち、民事実務及び刑事実務の知識が問われます。

そして口述式試験に合格すると、司法試験の受験資格を手に入れることができるのです!


難易度は?

司法予備試験は司法試験と同じくらいの高レベルと言われていて、合格率は4~5%前後です。

なぜなら、法科大学院修了程度の知識・学力が問われるからです。

また、短答式試験また論文式試験に合格しても、口述式試験に合格しなければ、来年度は短答式から受けなおさなければならないのも、難易度が高いといわれる理由です。

司法予備試験は3ステップ(①短答式、②論文式、③口述式)で、口述式試験に合格すると司法試験の受験資格を手に入れられるということです!


大学生で目指す!司法予備試験合格

さて、そんな司法予備試験ですが、近年、大変人気になっており、受験者が増加傾向にあることをご存じでしたか?

特に現役大学生を中心に司法予備試験の受験者が増えているんです!

一体なぜでしょうか。

taking exam for becoming a lawyer in college

時間と費用のコスパが高い!

法科大学院コースでは、法科大学院で学ぶ必要があるため、莫大な資金を要します

一方で、司法予備試験であれば、

受験にかかるのは受験料(今現在は17500円)のみで誰でも受験することができます。

そのため、実力があれば

法科大学院に進学せずとも、司法予備試験に合格することで司法試験への受験資格を得ることができます。

「司法予備試験合格して司法試験を受ける!」と大学1・2年生のうちに決めて計画的に勉強すれば、

在学中に司法予備試験に合格し司法試験を受験して合格することで、大学卒業のタイミングで就職することもできることから、

大学生の司法予備試験受験者数が増加しているのも理由の一つです。


難易度が司法試験並み=勉強にも保険にも!

先ほどお伝えしましたように、

司法予備試験の難易度は司法試験と同じくらい高レベルです。

そのため、司法予備試験に向けての勉強は司法試験に直接繋がります。

「4年間かけて法科大学院に入学しよう」と考えている人も、予備試験に向けて勉強し、力試しに受験するケースが増えています。

実力がついて司法予備試験に合格できれば、法科大学院にいかずとも司法試験を受験できるため良いチャンスですよね!

また、法科大学院入学を前提にしている方も予備試験に向けて勉強をすることで入学試験対策をきっちりできると共に、

司法試験に向けて着実に勉強することができるという点もあります。

いわば、「保険」のような役割も果たしているのです。

大学在学中に司法試験合格を目指すなら、遅くても大学三年生までに司法予備試験に合格する必要があるため、早めの決断が必要です!


大学生の予備試験の合格者数

white ceramic mug on white paper

実際の令和元年度の司法予備試験における大学生の総数の推移はこちらです(法務省調べ)。

多くの大学生が受験することが一目瞭然です。

合格率が4~5%のため、難易度は高いのですが、計画的に勉強すれば確実に合格に近づく試験だと言われています!

年度出願者受験者短答合格者論文合格者最終合格者
平成283,2272881576186178
平成293,3593,004556222214
平成303,5883,167631178170
令和元年3,7613,340701255250
令和2年3,9973,141707247243
参照:司法予備試合格者数状況(大学生)|平成28年~令和2年(法務省)

司法予備試験合格者の司法試験の合格率は高い!

加えて、法科大学院修了者の司法試験の合格率は25%前後のところ、

司法予備試験合格者の司法試験の最終合格率は90%を超えているところが注目すべきところです!

法科大学院生の合格者数

年度出願者受験者合格者
平成305,8115,2381,525
令和元年4,9304,4661,502
令和2年4,2263,7031,450
参照:法科大学院生|合格者数の推移(法務省)

司法予備試験合格者の合格者数

年度出願者受験者合格者
平成30年442433336
令和元年393385315
令和2年435423378
参照:司法予備試合格者|合格者数の推移(法務省)

おわりに

ここまでざっくりと司法試験と司法予備試験について説明してきました。

司法試験と司法予備試験を比べてみるとこうなります!

Goalは司法試験合格です。

two routes for taking the exam for lawyer

法科大学院コースでは、

まず法科大学院への入学試験を受けなければならず、修了にはさらに2年間勉強する必要があります。

経済的にも時間的にも法科大学院コースは負担が大きいですが、

大学と合わせて6年かけてしっかりと司法試験に向けて実践的な法学を学ぶことができます

一方、司法予備試験コースでは、

予備試験で問われることは多く合格率は低いものの、

合格すれば法科大学院課程を経ることなく、司法試験を受験することができます

また、司法予備試験合格者の司法試験の合格率は高いです

そのため、経済的な負担は少なく、人によっては早期合格をねらうことができます!

司法試験を受験するには、①法科大学院課程を修了するか、②司法予備試験に合格する必要がある。自分に合った選択をするのが大事!

法曹界への入口が広くなった今、

司法予備試験という新たな道も視野に入れて、

司法試験合格を目指してみるのも良いのではないでしょうか?

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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執筆者 こはる

東京在住の大学二年生です。大学では法学を勉強しており、財産法と近年の法的諸問題に関心があります。趣味は読書と美味しいものを食べることで、現在はビジネス英語とWebマーケティングを学んでおります。