株式会社ボーダレス・ジャパン 採用人事 / 鈴木 健太郎
現在、社会問題をビジネスで解決する会社として大注目のボーダレス・ジャパンの採用人事を務める。学生時代は教員を志望していたが、日本全国の中高に出張授業を提供する教育活動での経験をきっかけに社会問題の解決に興味を持ち、ボーダレス・ジャパンに入社。子どもたちのより良い未来づくりや、子どもたちが持っている生きづらさに関心を持つ。
★ボーダレス・ジャパンHP:https://www.borderless-japan.com/
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「やりたいことを大きく捉えすぎないことが大事」
実際よく学生から「やりたいことがない」という話を聞きますが、結論から言うとやりたいことはなくても良いと思っています。そもそも人生の中でやりたいことは変化していくもので、学生時代にやりたいと思ったことを一生やる人はほぼいないと思っています。
よく、やりたいことを見つけなきゃいけない時に人と比べてしまうことが多いですよね。「海外でこういうことをしたい」「こういう事業を作りたい」といった大きな目標を聞いた時に、「自分はそんな大そうな目標はないんだよな…」となってしまうことが、「やりたいこと」が先行する原因になっていると思います。 ワクワクすることや楽しいことは人間必ずあると思うので、それをやりたいことにしなきゃいけないわけではなく、まずやってみるでも良いと思います。
明確に「これを私はやりたいんです」と公言することにあまり価値はないと思うので、日々色々な言葉や考えに触れる中で自分のしてみたいことや次やりたいことを拾っていくことで、就職活動でやりたいことを聞かれた時にシンプルに答えられるのかなと思います。やりたいことを大きく捉えすぎないことが大事です。
ボーダレスさんは社会起業家の卵を採用している会社なので、元々明確にやりたいことが決まっている人が多い印象がありますが、必ずしもそうではないということですか?
先ほどの話と矛盾するかもしれないですが、やりたいことを仮決めできることはすごく大事だと思っています。今はやりたいことのテンプレートがあると感じていますが、そんな大きなことではなくものを描きたいとか動物と関わりたいというように、やりたいことのレベルをもっと下げて良いと思います。
でも何かを選ぶ時、「〇〇をやりたい!」という内発的な動機づけがないと何事にも取り組めないので、まずは自分の内的な言葉に素直になってほしいです。そこから、何をベストではなく何をベターとして選んでいくかということがすごく大事です。そのベターの中で「〇〇やってみたいな!」と思うことをまずトライしてみて下さい。
正解を選ぶのではなく、今自分が1番選びたい選択肢を選べる状態であると良いのかなと思います。
ありがとうございます。自分がワクワクすることや楽しいと感じることを掘り下げると、自ずとやりたいことが見つかるということですね。
そうですね。具体的にいうと、チームで何かをすることが好きな場合、なぜそれが好きなのかを深堀りすると、人と何かをやることが好きとか、何か自分がやったことで周りの人を笑顔にできたり、褒めてもらえたりという環境が好きなのかが分かると思います。日々楽しいことや、やっていて幸せに感じることの抽象度を下げることが大事です。
今お話したポジティブな感情だけではなく、マイナスの気持ちからやりたいことが生まれる場合もあります。社会問題ということに繋げると、日々自分が他者や社会に対して違和感に感じる気持ちを大事にすることがポイントです。何か不満に思うことは自分が熱量をかけられることだと思うので、そういう部分に対して解決したい!取り組みたい!というのも1つやりたいことになると思います。
まとめると、違和感と自分に素直でいることが一番大事ですね。「皆はこういう考えだから、自分もこうだ」というように他人の考えに流されるのではなく、日々自分が感じたことから目を背けず、言葉にすることをやめないで欲しいです。
「自分の言葉で語れる人になるには」
面接でよく「ありきたりな言葉ではなく自分の言葉で語れる人が欲しい」と耳にしますが、自分の言葉で語ることは難しいなと日々感じています。鈴木さんは自分の言葉で語れるようになるために何かしていたことはありますか?
そうですね、2つあります。1つ目は、自分の考えや思いは話し言葉だと思うのですが、それを1度言葉にして書き留めることが大事です。私自身もブログを書いているのですが、発信するかどうかは別として、自分の中でしっかり言葉にして留めておくことができると良いかなと思っています。その時自分がどう思ったかや、どう感じたかというのを書き留めることで自分の言葉を蓄積させておくと、人から求められた綺麗な答えを発言するのではなく、自分が日々感じたことをどう解釈しているかが話せるようになります。
2つ目は、私自身歴史が好きだということもあり、先人の言葉に触れることもすごく大事なことだなと思います。歴史じゃなくても尊敬する経営者の方や、先輩の話といったそういう人たちの言葉に触れるだけでも良いと思います。ちなみに、私が特に好きな偉人は坂本龍馬です。
自分の考えを書き留める手段として、最初にSNSで発信する手法が思いつきました。
自分で継続できる形を模索することと、目的がどこにあるかを意識することが大切です。SNSは相手からのレスポンスがあるところは良い面ですが、それを求めることが目的になってしまうと、自分の言葉で表現するのではなく相手にどう受け取られるかを感じて発信することになってしまうので、自分のありのままの言葉では無くなってしまいます。
本来の目的は自分の思っていることをシンプルに書き留めるつもりだったのに、相手のために書いていることになり目的がずれてしまうことがあるかなと思っています。まずは1文でも2文でも良いと思うので、自分に合う方法で書き留める方法を考えることが重要です。なので私は必ずしもSNSである必要はないと思っています。
「学生時代に頑張ったことがないと悩む学生に」
自分に誇れることや学生時代に頑張ったことがない学生は、どうすれば良いでしょうか?
「何をしたかよりも、経験から何を感じて今の自分にどう生かせているか、これからにどう生かそうとしているか」の方が大事です。例えば、事業を立ち上げて資金調達をしたとか、賞を獲ったという実績自体に正直価値はあまりないと思っていて、そこから自分が何を学んだのか、これからのキャリアに何を生かそうとしているかがすごく大事なことだと思います。
頑張ったことがない学生は、頑張ったことでなくても自分が学び得た経験や今の自分に生かせているなと思う経験を話してもらえれば、全然それで良いのかなと思います。アルバイトや勉強、サークルからどういうことを学んだか、その経験から次に自分はこれをしたいとか、こういうことが得意だと気付けたといった内容を話せれば大丈夫だと思います。
みんな、人と比べて自分の頑張ったことの優劣を決める傾向があるので、結果的に頑張ったことがないと感じる学生が多いと思います。ただ人と比べてどうかではなく自分だけに焦点をおいて考えた時に、頑張ったことがない学生はいないと思うので、まずは学生時代の貴重な経験は何だったかなと掘り起こすことから始めてみて下さい。
中高時代の頑張ったことよりも、大学時代に頑張ったことを言った方が良いという話を聞いたことがありますが、そこはどうお考えですか?
そういう話があるのは、大学時代何も頑張ってこなかったの?となってしまうからだと思います。ただ僕自身そこは関係ないと思っていて、これからの自分に繋げていけているかがすごく大事だと考えています。そういう意味では、中高でも大学でも今の自分を形作っていたり、これからの自分に繋がる経験を話して頂ければ良いです。
ただ経験をこれからの自分に無理に繋げろというわけではなく、経験を次に生かしていける前向きな姿勢や、その中で自分はこういう人間だと理解できていることがすごく大事です。これは仕事でも非常に重要になってきます。例えばどんな業務をしていても、そこから自分が何を学びとれるか、次にどう生かしていけるかが大切です。そこの部分をしっかり話せると良いですね。
〜次回へ続く〜
本記事の執筆者:しまだ
兵庫県出身のしまだです。ライター初心者ですがこのメディアを少しでも多くの人に見て頂けるよう、精一杯頑張ります!よろしくお願いします。
本日はよろしくお願いします。就職活動でよく「やりたいことは?」と聞かれることが多いこともあり、やりたいことがないことに悩む学生が多いですが、やりたいことを見つけるためにはどうすれば良いですか?