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【飲食業界を目指す学生へ】コロナ禍の今だからこそ伝えたい。シェフはエンターテイナーだ!

 2年間働いていたイタリアンレストランがコロナで閉店。「目の前にいる人を笑顔に」という思いから、コロナ禍において創作弁当・出張料理人として活躍する若手シェフの魅力に迫る!
矢定さんの実際の料理とともに、今だからこそ感じられる『お客様との繋がり』の価値を伝えます。

矢定さん

矢定真輝さん
専門学校卒業。高校でイタリア留学を経験。都内でフレンチを手掛けるシェフのもとでイタリアンレストランを2年経験。のちにイタリアンレストランを3店舗経験。現在はコロナ禍において出張料理や創作弁当のサービスを行っている。


料理の道を決めたきっかけ

キッチンが家族のコミュニケーションの場

メインディッシュ
ゆうき

 本日はよろしくお願いします!
 早速ですが、矢定さんが料理の道に進むことを決めた時のことをお聞きしたいです。

矢定さん

 よろしくお願いします!
 僕の家族がもともと食べるのが好きで、その環境で育ったことが、料理人を目指すと決めた1番大きな理由だったと思います。兄姉も料理が好きで、みんなでキッチンに立ってご飯を作ったりしていました。母も毎日手作りのご飯をふるまってくれて、キッチンが家族のコミュニケーションの場だったのもあり、小さい頃からなんとなく夢が決まっていたのかもしれないです。

ゆうき

 家族みんなが料理好きだなんて、憧れの環境です…!

矢定さん

 小さい頃から夢が決まっていたのもあって、イタリアに修行に行くという目標も立てていました。もともとは高校を卒業したら実現させる予定でしたが、偶然にも高校3年生の時にイタリアに1年留学が出来るプログラムがあると知り、高校在学中に一度本場を見に行くことが出来ました。

ゆうき

 高校で1年間留学したのですね!
 夢に向けて迷わず決断して進むのはかっこいいですね。高校生だと、留学中に出来る活動は限られているとは思いますが、イタリアに行って、何か料理に関する貴重な体験などは出来ましたか?

矢定さん

 そうですね。ホームステイ先の家族には前もって、僕が料理のことをたくさん知りたいと言っていたので、数日間、近所の小さな料理店でお手伝いさせてもらいました

 まだ高校生だったので、本格的な仕事に関わることは出来ませんでしたが、それでも何か出来ることを探してくれる、とても協力的なホストファミリーでした!


初めてのコース料理に感動


料理写真
矢定さん

 留学から帰ってきて高校を卒業した後は、1年間料理の専門学校に通っていました。
 それで、専門学生時代に、コツコツと貯めたお金を握りしめて、初めてコース料理を食べに行ったときは本当に感動しましたやっぱり自分もこういう料理を作るシェフになりたいと再確認しました。

ゆうき

 コース料理ってどうしてあんなに素敵なんでしょうね!確かに、大人になるにつれて、出会える料理もどんどん増えて行きますよね。

矢定さん

 その時、シェフからアルバイトの誘いを受け、働くことにしたんです。
 このレストランが、後に就職する場所になるんです。

ゆうき

 そうだったんですね!アルバイト時代には具体的にどのようなことをしたんですか?

矢定さん

 最初は盛り付けの手伝いや皿洗いをひたすらやっていました。実際にやってみると本当に大変で、シェフにはよく怒られていました(笑)


念願のイタリアンレストランに就職


ティラミス
ゆうき

 そんなアルバイト時代を経て、ついに社員として働くことになったんですね!最初の1年はどんなお仕事をしていましたか?

矢定さん

 最初の1年目は、とにかく新しい仕事をたくさん覚えました。同期がもう1人いて、キッチンとホールに交代で入って仕事を覚えていく感じでしたね。
 キッチンでは、大きく分けて「前菜ーパスターメイン」の順番で担当していくことが多いんです。僕たち新入りはまず前菜から始めて行きました。

ゆうき

アルバイトの頃には見られなかった景色ですね!
初めの頃は料理人として料理を提供していることに感動してしまいそうです。

矢定さん

 ただ、僕は少し時間にルーズなところがあって、キッチンの方々からよく怒られていました。。(笑)
 「そんな奴はホールに行け!」と言われて、10か月間みっちりホール業務をやっていた時期もありました。
 その期間はもう1人の同期が前菜、パスタと順調に学んでいっていたので、焦りを感じていました。僕の方は、10か月間でホールの先輩から基礎的な部分から、普通なら知ることのできないお客様に寄り添った対応の仕方まで、丁寧に教えてもらいました。

夢は言葉に。成長のためのチャンスが到来

ゆうき

 すごくしっかりしているように見えますが矢定さんは意外と時間にルーズだったんですね…!そのあと、シェフや先輩方とは和解出来ましたか?

矢定さん

 はい!ホールでの本格的な業務もしっかりこなせるようになり、なんとか僕もキッチンに戻ることが出来ました。
 ところが、僕がキッチンに入って半年経ったころに、メインを担当していた先輩が辞めることになってしまい、メインを作るシェフがいなくなってしまったんです。

ゆうき

ええ!メインって、キッチンの中でも1番大変で難しいポジションでしたよね…?

矢定さん

 そうなんです。さらに、年中無休のお店であったこともあり、シェフの代わりにもう1人メインが出来る人がいないといけませんでした。そこで、まだ前菜までしか担当したことのない僕がメインに選出されたんです。

 実は以前、僕が前菜の担当で余裕が出てきたときにシェフと面談する機会がありました。その時に、「先輩の作るソースが好きなので、可能であればメインを担当したい」という思いを伝えました。
 もしかしたら、その時勇気を振り絞って言ったことばを覚えていてくれたのかもしれないです。

ゆうき

 それはすごいですね!!
 異例ではありますが、もしかしたら矢定さんにとっては大きな転機であり、チャンスだったということですね!


メインを担当しながら感じたこと


矢定さん

 僕は今まで、物事を始める時には「早く始めれは早いほど良い」と思っていました。10か月ホールにいた時とかは特にですね。「早く料理を作りたい!!」と日々駆られていました。
 けれど、実際はそうではなくて、短期間でも取り組む姿勢によって成果が出せるということに気づかされました。

ゆうき

 確かに私も、何でも先に始めた方が有利だと考えてしまうことが多いです。でも今のお話を聞いて、ただ長くやっていればいいということではないということが証明されたように感じました!

矢定さん

 そうですね。シェフの代わりにキッチンを任される日もあり、自分にできるか不安だったり、大変なこともありました。その中でも、シェフの期待に応えられることによって度胸が付き、任されることは頼られている証なんだ!という風に考えていました。


コロナにより勤務先が閉店


閉店
矢定さん

 基本、冬は年末のパーティーの予約が多くて忙しかったり、春先は歓送迎会があったり、うちのレストランではブライダルのご予約も承っていました。
 しかし2020年は、コロナウイルスの影響で2月から3月にかけての予約が軒並みキャンセルになり、営業を続けることが困難になりました。

 その結果、4月に休業し、6月にレストランを閉めることになってしまいました

ゆうき

 コロナウイルスの影響による飲食店の閉店、休業は特に他の業界よりも辛い状況だったと思います…

 閉店してしまった後は、生活にどのような変化がありましたか?

矢定さん

 一人暮らしをしていたのですが、さすがにお金だけがかかってしまうので1度実家に戻りました。実家で生活しながら、毎日毎日、家族のために1日3食もご飯を作るのがどれだけ大変なことかということに気づきました。
 それから、よくある感覚だと思うんですけど、自分で作った料理よりも誰かが作った料理の方が美味しいと感じることってありませんか?

 それなら、「料理人である自分が出向いて、世の中のお母さんを楽にしたい!僕が作った料理で、外食気分を味わってもらいたい!」と考えるようになり、その結果としてお弁当屋さんと出張料理サービスを始めたんです。


コロナ禍でのお弁当屋さん、出張料理人

地域の方を笑顔に!創作弁当づくり


創作弁当
ゆうき

わあー!美味しそうなお弁当ですね!!

矢定さん

 コロナ禍にまず行動に起こしたことは、1週間のお弁当屋さんでした。
 イタリアンとフレンチを取り入れた創作弁当を作り、100食販売しました。レストランで身につけた創作料理の腕前を、お弁当にすることで、地域の方々に手軽で美味しく味わってもらいました。

ゆうき

 とてもいいアクションですね!コロナ禍においてテイクアウトやフードデリバリーなどが増えて、お弁当の需要があがりましたよね。都内レストランで働いた経験を、地域に寄り添う形で活かすという考え方が素敵です。

お弁当1
お弁当2
矢定さんのお弁当

「お客さんの目の前で作る」出張料理サービス


出張料理キッチン
矢定さん

 次におこなったことは、出張料理です。始めた理由は3つあります。まず1つ目は、以前から興味があったから。2つ目は、「お客さんがお店に来られないのであれば、自分が出向けば良いのでは?」と考えたから。3つ目は、自分を知ってもらうためでした。

 と言っても、家にシェフを呼ぶとなると敷居が高いように感じると思います。そこで考えたのが、ワンコイン出張料理ですね。500円+材料費+交通費のみで、ワンプレートからコース料理までお客さんの要望に応えながら始めました。

 多くの人の手助けになりたいと思い、本当は無料にしようとしたんです。でも、無料ってちょっと怖いじゃないですか(笑)なので、ワンコインです。

ゆうき

 とてもおしゃれな写真ですね!!

 出張料理人、聞いたことはありますが、確かに実際自分の家にシェフを呼ぶとなると身構えちゃいますよね(笑) 矢定さんの考えたワンコインでのサービスなら、より気軽に利用できると思います!

矢定さん

 この写真はお客様の家のキッチンです!綺麗ですよね。

 自分がホールスタッフとして働いていた際に1番素敵だと感じたのが、お客様が料理を美味しく食べてくれる、その反応を会話と一緒にダイレクトに受け取れることでした。料理人としてキッチンで料理しているのも楽しいのですが、自分の料理がどんな風に食べられるのかというのは、キッチンからでは見えづらいんですよね。

 料理を作り、美味しいと言ってもらえることも嬉しく、『お客様とのコミュニケーション』と『料理をする』この2つを両立させたのが出張料理でした

ゆうき

 長かったホール業務のなかで、お客さんとのコミュニケーションであったり、食事を楽しむ様子をずっと見てきた矢定さんだからこその価値観ですね。

 矢定さん自身は、お客さんのお宅のキッチンを使って料理することは難しくなかったんですか?

矢定さん

多少はありましたね~。初めて使うキッチンの勝手がわからないので。
 でも、イタリアにいた時も、学生時代もよく友人の家に呼ばれて料理したりしてきたこともあり、それほど難しくはありませんでした。それに、意外とどのご家庭でもモノの置き場所って似てるんですよ(笑)
 あとは、料理人の勘ですね!


料理人はエンターテイナーだ!


出張料理
矢定さん

 出張料理人として活動してみて、1番印象に残っているのは、ホームパーティーをしたいと言っていたご家族の家に行った時でした。「どんな感じに作るのかな?」という様子で、カウンターの前に家族全員が立って、僕の料理しているところを見ていてくれたんです

 せっかく興味を持って下さったので、「こうすることで風味が立つんです」と調理法を教えたり、メインディッシュのお肉の焼き方を説明しながらカットする瞬間を見せたりすると「おおー!」って歓声が湧き、楽しみながら食事をしていただきました。

ゆうき

 まるで料理教室みたいになっていますね!作っているところからお客様を楽しませられるのが出張料理人なのですね。

矢定さん

 料理人って、食のエンターテイナーだと思うんです。


 僕は、目の前にいる人に、料理を通して笑顔になってもらうことが1番のやりがいだと感じています!


将来のビジョン

現在のお仕事は?

パスタ
ゆうき

 コロナ禍でも負けずに、常に行動し続ける。そんな矢定シェフに感動しています…!現在は、少しづつ店舗でのお仕事もされているそうですね。

矢定さん

 そうです!出張料理をしながら、自分にはまだまだ料理の知識が足りないと感じ、またレストランで働くことで、より広く深く学ぶことにしました。
 今はまた別の都内のイタリアンレストランで前菜やデザートを担当しています。

ゆうき

 なるほど!レストランは変わっても、また矢定さんの美味しい料理が食べられるようになったということですね!

矢定さん

 そうですね!今はそのレストランで働きながら、今後のキャリアについて考えています。

 コロナ禍の1年を通して、この時期だからこそ目の前の一人ひとりを大切にして、作業ではなく自分で考え、お客さんに寄り添った料理を提供できる料理人になりたいと考えるようになりました。


地産地消 > 星付きレストラン


ゆうき

それでは矢定さんの今後5年後、10年後のキャリアについて教えてください!

矢定さん

 今はコロナなので、2年ほどはお世話になったシェフの立ち上げる新店舗で、出張料理もやりながら働こうと思っています。そして、長年の夢であるイタリアへの修行も叶えるつもりです。イタリアに行ったら、高級レストランもいいのですが、家族経営などのアットホームな地域の小さなお店で働きたいと考えています。

 高校留学で行っていたロンバルディア州に行くのもいいなと思っています。修行もそうなんですが、本物を見たり感じたりしたいという感覚ですね。2年くらい学んでから帰国して、シェフとして店舗経営を任されるポジションに就きたいです。
そして、32歳で独立を目指します!!

ゆうき

 イタリア修行、店舗マネジメント、夢に向かって明確なビジョンがあるのは学生時代から変わらず、矢定さんの強みですね!

矢定さん

 独立したら、都内または地元にオープンするか考え中です。

 都内で星付きのレストランを目指していた時期もありましたが、星は目標ではなく結果であることに気づきました。それに最近では、遠くてもわざわざ食べに行く人もいます。

 ですので、今では地産地消や地域の人に寄り添ったお店を目指しています。田んぼのあるところのど真ん中に、こじんまりとした、カウンターのあるお店を建てるのもいいですね。


飲食業界を目指す人にメッセージ


料理人
ゆうき

 本日は貴重なお話をありがとうございます!
 最後に、飲食業界を目指している人にメッセージをお願いします。

矢定さん

自分の好きなことを仕事にし、スキルとして持てば、どんな状況でもめげずに対応が出来るのかなと、この一年で感じました。そして、皆さんも「好きなことを仕事にすること」によって身につく自分の強みを知って欲しいです。

 コロナによってまさか自分が無職になるなんてと絶望しました。
 そこで考えてばかりいては何も変わらないと思い、まず行動したんです。
 お弁当も出張料理もそうなんですが、人に連絡したり話したりすることを中心におこない、多くの人と出会うことができました。出張料理の仲間、有名なお肉屋さんのオーナー、小さな家族経営のシェフや大きな飲食店のグループの統括シェフなど。この出会いがあったからこそ就職先が見つかったり、学びがありました。

周りに合わせるのは大切だと思いますがそれを制限に何もしないのは勿体無い。
今の時代変化に対応し行動が出来ることがより重要だと考えます。


おわりに


 コロナに負けず、常に前に進むことを考え、そのために自分が出来ることは何かを考えてきた矢定さん。出張料理やお弁当屋さんとして活動する様子を聞いて、今シェフの方々がどんな思いで飲食業界を活気づけているのかということを深く知ることができました。飲食業界の先輩として頼もしい姿を見せていただきました。今後のさらなるご活躍が楽しみです!!

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執筆者 ゆうき
千葉県出身、大学3年生。スペイン語学を専攻しています。趣味はダンスと書道で、現在は社会に出た際に直接活かせるSNSの運用について勉強中です。
マイウェイ部ではライターとして記事の執筆をしています。