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【映画の魅力を伝えたい!】夢のユニバーサルシアターができるまで

CINEMA Chupki TABATA

皆さんは、目の見えない方はどのように映画を楽しむか知っていますか?実は、“CINEMA Chupki TABATA”というとても魅力的な映画館があります。今回は、その設立に尽力され、現在代表を務められている平塚千穂子さんにお話を伺いました。平塚さんが「ユニバーサルシアターを作る」という夢を叶えられていく姿は必見です!


「CINEMA Chupki TABATA」とは

目の不自由な方の映画鑑賞をサポートするボランティア団体「City Lights」を母体に、2016年に設立されたバリアフリー映画館。誰もが映画を楽しめる環境が整えられている。
アクセス:JR山手線「田端駅」北口から徒歩5分。


「City Lights」を創設するまで


さくら

本日はよろしくお願いします!
早速ですが、平塚さんとCINEMA Chupki TABATAとの関わりを教えてください!

平塚さん

まず、Cinema Chupki Tabataの設立の母体となったCity Lightsを2001年に立ち上げ、視覚障がい者の映画鑑賞のサポートをしてきました。
鑑賞会や上映会を開く中で、より多くの人に来てもらうため、常設の「夢のバリアフリー映画館」を作りたいと思うようになり、念願叶ったのがCINEMA Chupki TABATAです。

CINEMA Chupki TABATA
映画館の設立に関わった方々のお名前が、青い葉っぱに書かれています。

「映画で人とつながりたい」


さくら

City Lightsを作られたきっかけは何だったのですか?

平塚さん

大学を卒業して数年経った27歳くらいのとき、失敗が重なって人生をあきらめかけていたんだけど、ふと入った映画館で救われたような思いがして映画を見続けるようになりました。映画の力ってすごいなと思った、これが「映画で人とつながっていきたい」と思ったきっかけかな。


クレイジーな夢「目の見えない方にサイレント映画を」


さくら

そこからどのように City Lights 作りが進んでいったのですか?

平塚さん

自主映画の監督が主催する異業種交流会に参加したんだけど、それは「クレイジーラーニングス」といって、クレイジーな夢を語り合う場でした。

そのころから私は映画館を作りたいという夢を持っていて、
そのグループで「何かイベントを企画しよう」となった際、せっかくなら誰も思いつかないようなクレイジーなことにしようとなって。

その一つが「チャップリンの『街の灯』というサイレント映画を目の見えない人に上映する」という企画だったんだよね。


目の見えない方との出会い


さくら

始まりはサイレント映画だったんですね!意外でした!

平塚さん

それまで視覚障がい者との接点は無かったから、こんな企画を立てたら怒られるのではないかと思って、実際に映画についてどう思っているのかリサーチに行きました。

すると、興味をもって「すごい見たいけど、どうしても手が届かない。でも耳があるから音声の情報があれば楽しめるのにな」と言っていたのを聞いて、じゃあチャレンジしてみよう!と思いました。
そして言葉や音、上映空間の作り方でチャップリンの「街の灯」を伝えようとしました。

City Lightsでの活動
平塚さん

でも思ったより準備が長引き、メンバーも抜けてしまって、上映会はできなくなってしまったんだよね。
共に映画作りをしてきた視覚障がい者の人たちにそのことを伝え、「これからどうしよう」と相談すると、「サイレント映画なんて難しいところから始めないで、今やっている映画にテレビの副音声みたいな解説を付けてくれればいいんだよ」と言われて。

それからCity Lightsを立ち上げ、音声ガイドづくりに踏み込んだっていう感じですね。

さくら

目の見えない方と共に創り上げてきた感じですね!

平塚さん

そうですね。音声ガイドづくりも参加してもらって、イメージしやすいか、引っ掛かりがないか聞いてもらっていました。

また、目の見えない方のニーズを知りたかったので、メーリングリストを作ると、80人くらいが「こんな活動を待っていました!」と入ってくれました。
当事者の「今やっている映画を見たい」という声に応えるために、上映会でボランティアが耳元で解説したり、ラジオの電波で音声ガイドを聞く鑑賞会をしたりしました。


CIty Lightsでの活動

「夢のユニバーサルシアター」をあきらめなかったわけ

さくら

一度失敗に終わってしまったユニバーサルシアター作りをあきらめなかったのはなぜですか?

平塚さん

「映画の素晴らしさを伝えたい」と思ったことかな。

あとは、目の見えない人が目を閉じて想像しながら見ている感性を聞いて、自分より映画の世界に入っているなぁ、解説など言葉の方が陳腐で、会話の間や音楽や声色で十分感じ取っているなぁと思って。

それが面白くて、より一層映画が好きになったんだよね。はまっていったから、活動は全く苦じゃなくて、楽しくて続けちゃう感じでした。

「好きなことをもっとやりたい」という気持ちがより多くの人につながって、映画にも恩返しできたらいいな、という望みが叶った活動でした。


誰もが楽しめる映画館に

平塚さん

映画館づくりはお金もかかり、人生で一度しかできないことだろうと思ったから、聴覚障がい者や一般の映画館に行きづらさを感じている人も対象にした「ユニバーサルシアター」にしようと構想が広がりました。

そのため、映画に字幕を付けたり、親子鑑賞室を作ったり、車椅子のスペースを作ったりしました。


CINEMA Chupki TABATA シアター内
シアター内の様子
さくら

お客さんにはどのような方が多いですか?

平塚さん

全体のバランスでいうと、障がい者の人は1割~2割くらいです。

「障がい者のための映画館」と言われ、健常者が行ってはいけないのではないか、席数が少ないのに予約をしてはいけないのではないかと遠慮されてしまったこともありましたが、そんなことはないので多くの方に来てもらいたいです。

毎回日本語字幕を付けているので、聴覚障害の方にもっとCINEMA Chupkiのことを知ってほしいですね。


さらに映画の魅力を広めるために


さくら

今後の展望はありますか?

平塚さん

上映設備の問題で大手の作品ができてないんだよね。だから設備を整えて作品の幅を広げたいとは考えています。

また、ユニバーサルシアターに興味を持ってくれている人がすごく増えているので、自分たちが作ったものを活用してもらい、運営をしたいという人のハードルを下げて活動を広げたいです。

あとは、感想シェア会や交流するきっかけ作りをして、
私は障がい者の人の感性に触れて色んな気付きを発見したのでお客さんにもそれを感じてもらえるような仕掛けを作りたいです。


おわりに


「映画の魅力を伝えたい」という思いから、活動の楽しさを原動力に「夢のユニバーサルシアター作り」を実現させた平塚さんからは、夢の叶え方を学ぶことができますね!

実は、著者もCINEMA Chupki TABATAを訪れたことがあります!最初は「目が見えないわけではないけれど行ってもいいのだろうか」と不安に思っていましたが、そんな心配は杞憂でした!音声ガイドを使って目を閉じて映画を見てみると、新たな映画の楽しみ方ができました。この記事を読んだ皆さんにも、ぜひ一度体験してみてもらえたら嬉しいです。

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執筆者 さくら

東京都出身の大学4年生、現在は国際社会学を専攻中。
趣味は語学の勉強で、最近トルコ語の勉強を始めた。
マイウェイ部では記事執筆に取り組んでいる。