「生まれた場所が違うだけで、生活がこんなにも違うのか」高校の卒業旅行のためにバイトする自分と、日本の大学に行くため・家族のために遠い村まで働きに出るメル友のウガンダ人の男の子。衝撃を受けつつも何もできない自分を変えるために挑戦し続ける学生に「現地で見た国際協力のギャップ」や、「そこから彼女が目指すもの」についてインタビューすることができました!
祖父江なつみ
高校生の時にアフリカ・国際協力への興味を持ち、中央大学経済学部国際経済学科で国際協力のゼミに所属。2018年度JICAインターン生として東アフリカのタンザニアに半年滞在。4月からはタンザニアに住むシングルマザーの雇用問題解決を目指しソーシャルビジネスの会社へ入社。
メル友のウガンダ人の男の子
私には4つ上の姉がいて、その姉が大学生の時に休学をしてウガンダへ行きました。当時の私は「アフリカ=貧困、病気」などネガティブなイメージが大きかったのですが、現地で生活する姉のSNSを見てイメージが変わりました。
そして、姉の紹介でウガンダ人の男の子とメールをするようになりました。高校3年生になり、指定校推薦で大学が決まっていた私は、卒業旅行のためにアルバイトをしていました。その一方で、ウガンダ人の男の子は大学に行くために勉強しながら遠い村まで働きに行っていることを知りました。
ずっと友達みたいに連絡していた彼ですが、生まれた国が違うだけで人生が全く違うことに衝撃を受けました。しかし、この事実を知ったところで何もサポートできない自分の無力さに悔しさを覚え、「そんな境遇の人をサポートすることに人生をかけたい。」と思ったことがすべての始まりです。
JICAインターン in タンザニア
派遣前
その思いがきっかけにもなり、祖父江さんが参加されたJICAのインターンについてお聞きしたいです。
タンザニアはスワヒリ語が国語ですが、派遣前に勉強はされましたか?
実は、あるご縁で青年海外協力隊の派遣前訓練に参加させていただいたんです。言語ごとにクラス分けがあり、私のクラスではスワヒリ語の本を出版されている大ベテランの先生(タンザニア出身)からスワヒリ語を教えてもらいました。毎日4~5時間、必死で勉強していました!
みっちり勉強をして、実際に行ってみてどうでしたか?
お買い物はもちろん、インターン業務のやり取りもスワヒリ語で行えるほど上達していました。その分、英語はすっかり忘れてしまいましたが(笑)
文法は英語とも少し違って難しいですが、発音はカタカナみたいでかわいいですよ!
すごいです、、!
マイナーな言語は自分で勉強したくても教材があまりなかったりで、かなり大変だと思うので、青年海外協力隊に挑戦して言語も習得できると考えるとさらに興味がわきます!
インターン開始
タンザニアでは、半年間インターンをされたと伺いました。
その具体的な内容を教えてください!
まず、タンザニアにあるJICAの事務所で協力隊の方を受け入れるサポートをしていました。5名の協力隊員に協力していただき、実際の活動を視察する貴重な経験をすることができました!
そして次に、日本人社長が経営するMatoborwa社でインターンをしました。スタッフはタンザニア人で、主にドライフルーツや干し芋を製造する企業です。そこで主に経理業務をさせていただきました。
現地の企業の雰囲気はどんな感じでしたか?
その企業には、女性スタッフが多くてとても話しやすかったです。おしゃべり好きな人が多くて、お昼ご飯を食べながら現地の生活のことや恋バナをしていました。自分が話すスワヒリ語が間違っていたら恥ずかしい。最初はその気持ちがとても大きかったです。しかし、自分から積極的に話しかけて分からないことを聞くと、丁寧に教えてくれました。休日には町散策にも連れて行ってくれたりと、本当に優しい人ばかりでした。
大変だったこと
すごく会社の雰囲気がよさそうですね!
現地の方と恋バナなんて絶対楽しいです!(笑)
逆に、インターン生活の中で大変だったことがあれば教えてください。
経理業務です、、、。
従業員の給料を誤って計算していたり、マネージャーや原料調達担当の話を十分に理解していないまま承諾してしまったりと、本当にたくさんの失敗をしてしまいました、、、。
初めての経理業務でしかも言語も違いますもんね、、、。
その後はどう乗り越えたのですか?
ミスをしてかなりへこんでしまったのですが、社会人経験のある協力隊員の方からアドバイスをもらい、自分の状況を客観的にみることができました。
人との出会いは大切だと改めて感じましたね。
「機会から漏れる人」
行く前にイメージしていた「国際協力」と、タンザニアに実際に行って気付いた「国際協力」の間でギャップはありましたか?
インターン期間中ご縁があり、現地で行われているプロジェクトを視察する貴重な経験をさせていただきました。
プロジェクトを行っている様々な場所に連れていってくださり、現地の方とお話することができました。
歴史あるプロジェクトのため、多くの方が恩恵を受けていることがとても伝わりました。しかし、ヒアリングを通して、必ずしも全員がそうあるわけではないことを知り、とても驚いたことを今でも鮮明に覚えています。
「国単位で大多数の人々に影響を与えるのか、規模は小さくとも目の前の人みんなにいい影響を与えるのか。」
自分はどの立場から関わっていきたいのか?を強く考えるきっかけになりました。
また、私、実は国際協力って全部JICAの方が行っていると思っていたんです(笑)でも、実際はJICAだけでなく、現場に入る開発コンサルタントの方、草の根レベルで活動を行うJICA海外協力隊員、ビジネスとして関わる企業の方など、たくさんの方が役割分担をして「国際協力」をしていることを知ることができました。
なるほど、CMで見かけるようなストーリーは募金もしてもらいやすく、数字でも改善点が見やすいため継続して活動ができる。その一方で、定期的な障がい者訪問など数字として見えにくいものは継続されない、と私も聞いたことがあります。機会から漏れる人、後回しにされる人を積極的に支えるというのも大切ですよね。
なぜ就職?
次に、祖父江さんの就職についてお伺いしたいです!
国際機関や、現地で働くことも選択肢としてあったと思いますが、日本のソーシャルビジネスをする会社に就職しようと決めたのはどうしてですか?
国際機関での「支援」という形より、持続的な活動のためにビジネスでお金を回したいと思ったからです。私が入社する会社では、新卒社会起業家育成コースのようなものがあって、1年間本社で修業することができるので楽しみです!
今後の展望
なるほど、企業内で起業家を育成しているんですね!
そのコースに参加してからの、今後の展望について教えてください!
社内起業をする予定です。
パートナーを亡くしたタンザニアのシングルマザーが働けるような会社をつくりたいと考えています。私が父親を亡くしていることもあり、自分と同じような人を、同じ目線で助けられるようなビジネスをしていきます!
学生へのメッセージ
それでは最後に、学生へのメッセージをお願い致します!
そうですね~、まず、自分とゆっくり向き合い、自分の心の声に耳を傾けてみてください。そして、心からワクワクすること、楽しいと思えることを何でもチャレンジしてみてください!
大学を卒業して就職するのは一つの選択なだけであって、「当然のこと」ではありません。様々な選択肢がある中で一度しかない自分の人生、何を選ぶのか?が大切なんだと思います。ぜひ、人との出会いを大切にして興味がある分野、テーマのコミュニティに飛び込んで出会いを広げて刺激をたくさん受けてください!
自分が身を置く環境や、人との出会いで本当に変わりますよね。私も興味のあるコミュニティにSNSなどを駆使して積極的に参加していきます!
本日はお忙しい中、大変貴重なお話をしていただき、ありがとうございました!!
マイウェイ部では、【ウガンダで養鶏場を経営】FunのFanであれ!「自分の中」に面白さを追求する起業家にインタビューなどの記事もアップしています!興味のある方はぜひご覧ください!
本記事の執筆者:みはる
愛知県出身、現在大学3年生。英語好きから始まり大学では国際教養学部に所属。在日外国人労働者が抱える問題を勉強しています。
本日は宜しくお願い致します。
早速ですが、アフリカ地域に興味を持ったきっかけを教えてください。